無口な私の復讐劇
だが、一人孤立しているあの子と私だけが断ったみたい。
ホームルームが終わると皆は駆け足で出ていった。
『や、山田さん、だっ…け?』
突然話しかけられたからびっくりした。
『は、はい。山田笑優です。
名前の漢字とは印象全く違うけどね。』
そう、私は自分の名前が大嫌い。
こんな根暗な残念な女の子につける名前ではないだろう。
生まれた時にはわからないが。
『ど、どうして亜美咲ちゃんの誘いを断ったの?』
いや、どうしてって言われてもな。
ただ行きたくないだけ?
一人でいる方が好きだから?
歌う曲がボカロやアニメだから?
理由がありすぎる。
『今ちょうど家が忙しいからだよ』
やっぱり正直に、堂々と嘘をつけばいい。
バレっこない。
だってこの学校に知っている人はいないから。
仲良くなれば家が忙しいなんて嘘、すぐにバレるからね。
『そ、そうなんだ…』
さっきから気になるけど、矢田亜美咲の誘いは断ってはいけないと言うルールでもあるの?
もうクラスのリーダー的存在になったってわけ?
なんでもいいや。
『あ、あのね、一つ言うと…
亜美咲ちゃんはどこかの社長の令嬢でね、あまり逆らうと面倒な事になるから…
気をつけてね…』
わ、私が適当に言ったことが当たった…。