無口な私の復讐劇


全員が揃い、調理実習が始まった。

全員と言っても七人なんだが…。

火をつけるのは今から約十分後。

フフフ、楽しみだ。

私は矢田月音とペアでやっている。

あの五人はペアですると一人余るからと言って五人でしている。

あの五人の台とは一番離れているから楽だ。

しかも、矢田月音が『あっちの台行こう』と言ったから私が疑われることはそんなにない。

死ぬリスクは少ない。

死ぬなら全員殺してからじゃないと…。

古い時計の針ばかりを気にしている私。

矢田月音が話しかけてくるが、適当に流して返す。

あと二分…。

いや、あと三十秒。

松島涼花がいるからサクサクと進んでいる。

私と矢田月音は比較的ゆっくりしている。

すぐに逃げれるようにね…。

私は足の指を怪我したフリをしてかがんだ。

「大丈夫…?」

矢田月音もかがんだ。

これはラッキーだ。

三…。

ニ…。

一…。

「…ゼロ……」

私が小さく呟いた途端、ドーーン!!!!という大きな爆発音が鳴った。

私と矢田月音は爆風で少し飛ばされた。
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