無口な私の復讐劇
死んでいる三人、矢田月音を運んで行った。
矢田亜美咲と北条則江の救出作業は救急隊と先生で行われている。
私は…傍から見れば、怯えきっているようにしかみえないだろう。
救急車四台が出発した直後、北条則江が発見された。
「二人発見、二人とも息がある!
体の大きな方は頭蓋骨陥没状態。
もう一人は頬に大きな傷、右大腿骨骨折。
急いで担架とボンベを頼む!」
二人とも見つかった。
まだ生きてたのか…。
「チッ…」
軽く舌打ちをすると、救急隊が声をかけてきた。
「君は大丈夫かい?」
「え…、あ、だ、大丈夫…です……」
「精神的ショックが大きいだろう。この救急車に乗りなさい」
舌打ちは聞こえていなかったみたいだ。
私は矢田亜美咲の救急車に乗ることになった。
ただでさえ狭い救急車。
私が乗ることにより、邪魔だろう。
だから端の方で小さく蹲っていた。
笑いをこらえながら…ね。