私があげた七色と君にもらった虹色

「こんにちは。」 


怖い人が近寄ってきて私に挨拶をする。その笑顔は見慣れた貼り付けた笑顔ではないから、嘘ではなさそう。怖い人…ではないのかな。


「こ、こんにちは。なにしてるんですか?」
 

怖い人…彼はプッと吹き出す。何が可笑しいんだか私にはわからないけど。


「そんなに怖がらないでいいよ?僕はね。ココロを拾って届けるお仕事してたの。ほら、これ、ハート!」


彼が見せてきた赤い何か…よく見たらハートだった。


怖くなくてもやっぱりこの人変だよ。そんな仕事あるわけ無い。ココロを届ける仕事?馬鹿じゃないのか。


「…馬鹿じゃないのか。とか思った?」


図星を突かれて黙ってしまう。こういう人苦手なんだよな。
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