私があげた七色と君にもらった虹色
「え?」
いや、だって。急に僕はクラゲって言われたって。なにそれ?としか思えないよ。もしかして名前がクラゲとか?
アハハと笑う彼やっぱり何が面白いのかわからない。
「ごめんごめん。僕の名前はクラゲ。あと君制服見ると高校生でしょ?同い年なんだから敬語やめてね。」
あ、やっぱり名前だったんだ最初からそういえばいいのに。
「クラゲって綺麗な名前だね。」
「ありがとう。君の名前は?」
「私はサクラバだよ。」
苗字を言う私にクラゲは「え、それ名前なの?…あ、ごめん、サクラバちゃん。」と言ってくる。
「あ、ごめん。ユズだよ。サクラバは苗字。」
苗字しか呼ばれなかったから。名前なんてないも同然だった。
自分で名前を言ったのも。いつぶりだろう。
「サクラバって名前じゃない?よかった~!ユズちゃんね。」
ほっとした様子のクラゲ。さっきのこと気にしてたのかな。そんなに気にしなくていいのに。