本当の恋を知った日。
_第1節_最悪の日
心地よい風が頬をなでる。
ふと目を覚ますと保健室の天井が見えた。
窓からさしている日差しがまぶしてくて思わず顔を伏せた。
人の気配がしない。誰もいなさそうだ。
 「何で保健室にいるんだろう…」
その時。ガラガラガラ…
扉の開く音がした。
゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚
 「ほら、はやくおきなさーい」
お母さんの声で今日も目覚めた。
視界がはっきりしないまま時計を見る。
ぼやっとして見えないけど…ん?
その時計は8をさしていた。
 「8時っ?!やばい、ちこくする!」
ドタバタと準備をして、家をでた。
遠くでお母さんの声が聞こえたけど聞こえないふりして。
私の家からは5分で学校につく。ダッシュしたら間に合うはず…!
現役バスケ部の脚力なめんなよっ!
私は、中学2年のバスケ部キャプテンの上原 みどり。
彼氏?恋はしたことあるけど彼氏は作ったことない。
って、そんなの言ってる場合じゃなかったっっ
キーンコーンカーンコーン
ギリギリで教室、間に合いましたー!

 「今日もおつかれみどり。」
 「あやーーー!」
話しかけてきたのは私の親友で、バスケ部副キャプテンの春野 彩。
二重のぱっちりした目。顔立ちは綺麗なのに女子っぽくないショートヘヤー。しかも好きなものはアニメ。というもったいない美人。
 「今日も疲れた…」
 「目覚まし時計壊れてるの?」
 「鳴らしても気づかないんだってば  
  ぁ」
他愛のない会話をする。彩とだったらすぐに時間は過ぎてしまう。
今日は嫌な数学も理科もある。
 「さ、最悪だ〜」
今日は朝から悪い予感しかしてなかった。
゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚
 「では、明日も元気に来てください。さ 
  ようなら」
 「「しゃーす」」
いつもと同じでみんなテキトーな挨拶で返す。
これならは部活動の時間だ。
 「あやっ、早く着替えて〜」
 「もうおわるから」
部活は地獄のようなつらさだ。
特に暑い日は…
急いで走って体育館まで来る。
体育館に入ったその時。
くらぁとめまいが襲った。
え、なにこれ…
目の前が暗くなり吐き気と息苦しさが襲ってくる。
 「上原っ」
 「みどり…?」
 「みどり先輩!」
みんなの声の中に何人かの男子の声が聞こえた気がした。
ああ。ここは男子の練習場所だ。。
そこからは意識がない。
気づいたら保健室にいた。
目を開けたら誰もいなかった。
保健室の先生も、他に寝てる人も。
何が起こったんだっけ…?
たしかふらついて…
倒れた…のかな?
あの時を思い出すと怖くなる。
部活、彩に任せちゃったな
その時。ガラガラガラ
扉の開く音。
 「上原さん起きてる?」
 「おーい上原大丈夫かー。」
先生の声とこれは…佐々本の声?!
佐々本は、男バスのキャプテン。うまいよ。バスケは。でも、試合中はかっこつけるし、顔もすごいかっこいいという訳ではない。まあそんな少女漫画みたいな人いるわけないし。。
 「なんで、佐々本がいんの?」
 「なんでって俺が助けてやったんじゃん
  か。」
 「え?」
はてながいっぱい浮かぶ私に先生が言った。
 「倒れた上原さんを佐々本くんが運んで
  きてくれたのよ。」
その瞬間、頭が真っ白になる。
ってことは…
 「お、重かったでしょ…?」
 「いや、そんな重くなかったけど?」
その言葉と同時に向けられた笑顔に胸がきゅんとなった。
なに…これ…?
 「そういえば!上原さん、貧血なったこ
  とある?」
 「え?」
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