さようなら、きんいろ。
さようなら、きんいろ。

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潮風を目一杯に受けて、ぶわりとセーラー服の紺色のスカートが膨らむ。

ポニーテールがあたしの軌跡のように踊っていた。



海のそばの道で自転車を飛ばす。

風が撫でるその頬は自分でも笑っていることがわかるほど緩んでいる。



だって、当然たい!

今日は待ちに待った、きょうちゃんが島に帰省する日やけんね!



大人しく家で待つなんてできるはずもなく、あたしは全速力で船着場に向かっている。



下り道を曲がって、きらきらと光を受けて輝く海のそばに人影を見つけた。

自転車なんて放り出して、あたしは彼の元へ駆けた。



「よう帰って来たねぇ、きょうちゃん!」



そのまま勢いをつけて、思いっきり飛びついた。



「うわっ、真波?
久しぶりだなー、元気にしてたか?」

「きょうちゃんがなかなかこっちに帰って来てくれんけん元気なかったとばってん、今元気になったとよ!」

「はは、そっか。
ごめんごめん。元気になってよかったよ」



抱ききついたまま顔を上げると、眩しい笑顔が降ってくる。

それに心が柔らかく、ほどかれていく。






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