さようなら、きんいろ。




きょうちゃんがお酒を飲めるようになったことが嬉しくてたまらないのか、おじちゃんたちは晩ごはんがはじまる前には彼を連れて行ってしまって。

次々とグラスにお酒を注いではもっともっとと飲ませているみたいだ。飲みすけたちが。



きょうちゃんがどれくらいお酒を呑めるのかなんて知らないし、少し心配。

それでも都ときょうちゃんが並んで座っていないのは嬉しいと思うけど、その分彼女の隣のあたしとも遠い。



いったいなんし来たとやろぉ、うち。

情けなかごたっ、苦しかごたっ、こがん気持ちになりとぉて来たとじゃなかったとに。



「あんたはさっさと東京に帰らんば」

「ここってお魚、どれも本当に美味しいのね。
恭介が言ってたとおりでびっくりしちゃった」



話ば聞いとらん、こんおなご!



追い返そうにも会話の成り立っとらんもん。

ありえんて、きつかて、やっとられん。



都に言葉を投げつけることさえ煩わしく、ため息がこぼれる。






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