さようなら、きんいろ。
風間 恭介(かざま きょうすけ)。
うち、天宮 真波(あまみや まな)の幼馴染で、ずっとずーっと好いとぉ人。
昔は日に焼けて、太陽みたいな金茶の髪と黒い肌をしていた。
だけど約1年と半年前に東京の大学に合格して、島を出た彼は変わってしまった。
今では言葉遣いまでもが東京の人たちと同じように感じる。
それでも、きょうちゃんの爽やかさは変わらないし、ぐっと大人っぽくなった。
ただのポロシャツ姿でも、きょうちゃんは悔しいほどにかっこいいんだ。
ふたりきりを満喫していた、その時。
「恭介、荷物任せっきりでごめんね。ありがとう」
……これは、どういう状況だろう?
船から降りてきた見知らぬ女が馴れ馴れしくきょうちゃんのことを呼ぶ。
文句も言わず、むしろ「おー」なんて返している彼の態度にあたしは困惑してしまう。
「きょうちゃん、誰(だい)、こん女(ひと)」
「んー? 角田 都(かくだ みやこ)。俺の彼女だよ」
「……はああっ!?」