さようなら、きんいろ。




「昔から真波は俺の周りの女に厳しいな」

「そがんと当然やなかね!
きょうちゃんに近づくっていうとやったら、そんなりの勇気と誠意ば持ってから来てくれんね」



意識して陽気に言葉を紡ぐ。

あたしの隣に座りこみながら、なに言ってんだか、ときょうちゃんが小さく呟いた。



もしかして、疑っとぉと?

ばってんほんなごとたい。

しょうもなか女ごたっとは、たとえ恋愛に発展せんでんきょうちゃんのそばにはおって欲しゅうはなかとやもん。



「でもな、都は別にへこんでたわけではないからな?」

「ふーん」

「都って本当、図太くて」



その時の様子を思い出したのか小さく吹き出して、表情はくしゃりと優しく笑みを浮かべていて。

そんな彼と反比例するように、あたしの顔は固まった。



どうしてそがんふうに笑うと。

都ごたっとは都会っ子やかね。お嬢さんごと見たふうで、じぇったい虫とか好かんし、魚んしても釣るっちゅうともできんとに。



うちとは、うちたちとは、違うと。そいでん。






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