さようなら、きんいろ。
「ねぇ、きょうちゃん」
「んー?」
「うちの方が、都よりもきょうちゃんのこと、好いとぉとよ。ずっとずっと、……好いとったとよ」
確証なんてない。
これはあたしの勝手な予想で、ひとりよがりかもしれなくて、だけどあたしは心からそう信じている。
誰よりかきょうちゃんのことば好いとぉとはうちだ。
だから受け入れられない。
認められない。
昔と同じようにあたしがちょっと嫌味を言えば彼女は逃げると、なにもしなくてもそのうちに別れると、そう考えてしまう。
きょうちゃんはすぐ隣にいるというのに、あたしたちの間には大きな溝がある。
海の上にどんなに砂をかけていっても、波が攫っていって埋められないように。
「どうして都なんね?
どうしてうちじゃ……でけんと?」
ねぇ、きょうちゃん、教えてくれんね。
「あの頃のきょうちゃんは帰って来んと?」