さようなら、きんいろ。




船は出た。

きょうちゃんと都を乗せて、あたしたちの島からあっという間に離れていった。

白い泡だけを残して青い海をかきわけていき、今はもう、その姿は見えない。



手を振って見送ったふたりは仲睦まじく、そっくりな笑みを浮かべていた。

同じ時を過ごしたから似てきたのか、元々似ていたのか。きっと、その両方が理由なんだろう。



しばらくぼんやりと、海と目をあわせていた。

そして空を見上げてから、近くに置いていた自転車にまたがる。ゆっくりと自転車をこぎはじめた。



うちは、うちやなか人がきょうちゃんの隣におるとがいややった。

うちやなか女がきょうちゃんの好いとぉ女っというとが受け入れられんやった。

うちと違う女がきょうちゃんば変えてしもうたとが許せんやった。



どれもこれも自分勝手なことばかり。

そんなことを言っているからあたしは子どもで、扱いも変わらなかったんだとわかっていても、変えられずにいた。






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