勘違いという恋の駆け引き



『くぁっ…つかれたーっ!!』


最後の1つを運び込んだ私
クタクタで
ダンボールと共に玄関に倒れこんだ
おつかれー、なんて聞こえるが
全く来る気配もない


何か飲ませてくれ、と
四つん場になりながら
キッチンへ向かった


キッチンでは
ダンボールを開け
次々と食器を洗っている

勝手に冷蔵庫を開け飲み物を調達した
オヤジか、という飲みっぷりに
トウ兄は笑っていた



「手伝ってくれたから、飯作ってやるよ」


『本当!ラッキー!』


「あー、それと夜、あいつらも来るから」


玄関のダンボールを運ぼうと
クルッと回った体が
そのまま1回転した


あいつら?
…ってことは、あの二人?

変な汗が出る
だって、今日…
トウ兄の手伝うことを伝えていないから


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