勘違いという恋の駆け引き
終始無言の優さん
トウ兄が話しかけても
「ええ」「そうですね」と
そっけない態度
トウ兄は優さんの反応が楽しいのか
むやみやたら優さんに会話を振っている
居た堪れない私と絢斗が
すかさず会話に入るが
それが更に空回りさせてしまう
食事が終わり
私はキッチンで洗い物をしている
男三人で何やら経営について
男の話をしているからだ
学生の私には全く理解が出来ず
いない方がいいと判断し今に至る
…それにしても、肩が凝った
あんなに怒らなくてもいいのに、と
どうしたら機嫌が直るのかとため息をついていた
『ゆっくり会えないからなぁ…』
優さんは時間があまりない
忙しい毎日だから
ちゃんと気持ちを伝えようにも
なかなか伝えられないでいる
それに、二人になれば
あの高圧的な態度を取られると
やっぱり無理だ、と思ってしまうかもしれない