勘違いという恋の駆け引き


健太さんは変わった、
けど、またやり直していたら
同じ繰り返しかもしれない


そう思うと
優さんもそうかもしれない、と思う



「疲れる」


ダン、とシンクに両手を置き
うなだれている絢斗

おつかれ、と言いつつ
チラッと見れば
優さんとトウ兄はなんとも言えない雰囲気


『ねぇ、二人にして大丈夫?』


「…いや、けど、あそこに戻る勇気…俺にはないな」


そんなに?と思いながら
なぜあんなに優さんが怒っているのか
私以外の理由があるのか
絢斗に聞いてみようと思った時


ダン、バタン、と大きな音がした
何事かと思い音の方へと視線を向ければ
優さんがトウのの襟元を掴んで
今にも殴りかかりそうな勢いだ

何があったのかわからないけど
止めなきゃ、とキッチンから急いで出た


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