勘違いという恋の駆け引き
飛んだ勘違いだったわけだ
確かに惹かれて、彼女になったが
今では嫌でたまらない
「マジかよ…」
うん、マジだ
頭を抱え込むように項垂れる優さんが
かわいそうにも見えるが
そこまで私に合わせようとしていてくれていたのかと思うと、顔がにやける
『優さん、私が俺様好きだと思ったから、無理にあんな態度取っていたの?』
優さんは何も言葉を発してくれないが
首を縦に振ってくれた
『私ね、付き合ったら公平がいいの。年上だから、とか年下だから…じゃなく、恋人なんだから…ね?』
『だからね、私も優さんの事、“優”って呼びたい。呼んでもいい?』
『優…私の事、好き?』
首を縦に振っていたが
流石に最後の質問だけは
下を向きっぱなしだった顔はあげられ
綺麗な真っ黒な瞳で私を見てきた