勘違いという恋の駆け引き


二人揃って見るのは久しぶりだ
大学を卒業し絢斗はやりたい事が出来たと聞いてからはマトモに話していない

こうして話しかけられる事があっても
詳しく聞くなんてしなかった
けど、最近
実家の母から電話が来て
絢斗が会社を立ち上げたと聞いていた


いただきます、と言いながら
すでに絢斗の口には唐揚げが含まれていた


『絢斗っ!ちゃんと箸を使いなさい!』

「うるせーな、お前は俺の母親か?ねぇ、陽菜ちゃん」


陽菜に同意を求めながら
割り箸を二つに割っていた


『もぅ!…あ、優さんも良かったら食べてください。私が作ったのでお口に合うかわかりませんが…』


「本当?なら遠慮なく。女の子の手料理なんて滅多に食べられないからね」


優さんはシートの上に座り
きちんと手を合わせ
いただきます、と言ってくれた

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