勘違いという恋の駆け引き
恋人にも色々あるのだから
夫婦にしかわからないものがあるんだろう
結婚なんて考えたことがない私には
全く未知の世界だ
結婚…、優は考えているのかな?
まだ付き合いは浅い
会う時間も殆どない
寂しいと思うこともあるが
邪魔をしたくない
「駅まで送るよ?」
帰りの支度をしていたら
宮路さんが声をかけてくれた
けど、私は断った
『大丈夫です。彼が迎えに来てくれるみたいなので…。宮路さん、お疲れ様でした、今までありがとうございます』
宮路さんと別れ、一人駅に向かう
やはり考えてしまう…結婚
他人と家族になる
結婚って、なんだろうと
いつもバイトが終われば
すぐ優にメールを入れていたが
それもすっかり忘れ考え込んでいた
頭で考えていても
身体はアパートへの道順を覚えていて
気がついた時には
アパートの前まで帰ってきていた