勘違いという恋の駆け引き


「絢斗を見ていればわかる。かなり忙しい、いや、今頑張らないと先がないわけだ。休みもまともにないお前、学生の藍…違いすぎるだろ。藍はまだ若い、普通の恋人ならデートしたい年頃だ。藍は寂しがるだろうな。まぁ藍の性格なら、会いたいのを我慢して言わないって言うパターンだろうけど」



そんなのわかってるよ、
わかってるけど
仕事と藍を天秤にかけるなんて無理だ


「…確かに寂しい思いはさせると思います。けど、藍を手離すなんて無理です。やっと、やっと捕まえたんですっ!」


勢い余ってデカイ声を出してしまった
案の定、斗真さんは引いていた
すみません、と座り直すが
なんたる失態…



「…お前、いつになく惚れてんな」



絢斗もだが
斗真さんも俺の恋愛事情を知っている
恋愛事情って言っても
この兄弟に比べたら
天と地の差だ
付き合ったら大事にしてきた

来るもの拒まずのこの兄弟とは違う


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