勘違いという恋の駆け引き


俺はな、と話し始めた斗真さん



「藍のこと、妹のように可愛がった。もちろん今もだ。だから困ったことがあったら助けてやるのが兄の務めだ。……アレは、その延長だ」


アレ、というのは
藍に触れたことだ
聞きたくない話だが、そうはいかない


「糞ガキの小さなプライドのせいで、一生トラウマを抱えて生きていく藍を見たくない、なら本当にそうじゃないことを証明したらいいわけだ。それに、妹相手に欲情はしない。俺が求めるのはヤル気満々の匂いがする高飛車な女だ」


知ってるよ
斗真さんがいつも連れて歩く女は
化粧が濃くて香水もキツイ
短いスカートを履き甘い声を出して斗真さんの腕に絡みついている



……ん?
欲情、しない?


「と、斗真さん?…藍とは…」


「あ?やってねぇよ?やってたら、さすがに絢斗も、穂花もだまってねぇだろ」

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