勘違いという恋の駆け引き


あの日、澪を初めて見かけた日
私は運命を感じて話しかけた



『こんにちは、サークル探してるの?』


「あ、はい。けど何がいいのかわからなくて…って、あまり趣味とかないので…」


おとなし目に笑う彼女
その瞬間、私の心は奪われた
女が女に恋をする、わけではない
恋愛感情ではなく

彼女とは一生の仲になるだろう
理由なんてない。勘だ



『私、近藤藍。よろしく』


「はい、藍さん。小森澪です、よろしくお願いします」




その日に連絡先を交換した
澪と仲良くなりたい
それだけ、だ



『優…、私、一目惚れしちゃった』


仕事から帰ってきた優
私の作った鶏肉のトマト煮を食べている
目を見開いている優のスプーンから
鶏肉がこぼれ落ち、ベチャっと
トマト煮の中へ落ちワイシャツに飛び汁がはねてしまった


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