勘違いという恋の駆け引き



そして、ある日
わたしは澪に優を紹介した



『澪。私の彼氏の優』


「初めまして、澪ちゃん。長谷部優です」



にっこり笑い手を差し伸べた優の手を
初めましてと笑い返す澪
若干、優の顔が赤くなった気がした
まさか、と思い
肩で優を軽くど突いてやった


『見過ぎ、だから』


「いや…藍が一目惚れした意味が少しだけわかった気がして」


…え?
まさか?
もしかしたら、澪に心を奪われたのかと心配になったか、それは違った



「女性として魅力はあるけど…なんて言うかな…ずっと見ていたいというか、見守ってあげたいというか…」



そう、
優も私と同じだ
別に異性としての恋愛対象ではなく
人として魅力的だ

だが、当の本人は全く自分の魅力に気が付いていない


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