勘違いという恋の駆け引き



「…なんで?嫌いになった?」


シュンとした優
これは気が付いていないと理解した私は
ベットサイドの照明をつけた
やっぱり、と目ではっきりわかると
優に冷たい視線を送る



『知らない女にベタベタ触られた身体で私に触るの?』


そう言うと、
さっきまでニコニコ顔だったのが
サーっと引いて、固まっている


『ついでに言うと、ワイシャツに口紅がついているし、何よりキッツイ香水が移ってて、胸糞悪い』


お陰でベットの中も香水くさい
これじゃ、寝られないよと
捨て台詞のように
私は自分の枕を抱え
スタスタとリビングへ向かった


後ろで何か優が弱々しく言っていたが
振り向いてもやらない
浮気とか、そういうのじゃないのはわかる
絢斗と一緒なら
接待でお姉ちゃんがいる店に
行ったことくらいわかっているからだ
けど、臭いや口紅なんて初めてだ


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