勘違いという恋の駆け引き
「それでね、コウちゃんったらねー」
陽菜ののろけ話は続くが
やっと想いが通じたのだから
相当嬉しいようだ
陽菜の言う、コウちゃんとは
高校時代の家庭教師
当時は大学生だったが
今は大学に残り、助手の仕事をしている
短大に受かり
コウちゃんとの接点が無くなる、と
陽菜はコウちゃんに合格したから
ご褒美に1つだけ、自分の言う事を聞いてほしいと頼んだ
「コウ先生の友達になりたい」
今思えば、
これがいけなかったのかもしれない
それから家庭教師と生徒では無くなったが、友達になってしまい
コウちゃんは異性として見られていないと思ったらしい
「だから私がどんなにしかけても、ハッキリしなかったのよ」
仕掛けるという言葉に苦笑いだ
何をしたのか、なんとなく陽菜の性格なら…とわかる
まだ会ったことがないコウちゃんを
尊敬してしまう