勘違いという恋の駆け引き
憧れ、みたいなものがあった
けどそれは、恋人になりたいとか
そういうことではなく
あくまでも
こんなイケメンが彼氏だったら…という
妄想に近いものだ
幼馴染、といっても
トウ兄は私より7つも上
そんな年上のトウ兄の周りには
いつも目がハートの女の人たちがいた
それが中学生の時も高校生の時も
大学生になったトウ兄と
あまり会わなくなったが
たまに会ったり見かけると
必ず綺麗な女の人と一緒で
その女の人はトウ兄の腕に
自分の腕を絡み付けて歩いていた
けど、見るたびに違う女
絢斗に聞いてみたら
「兄貴は誰とでも寝る」
正直、ショックだった
私の知っているトウ兄では無かった
大人になると
こうも変わるのかと思った
けど絢斗は言ったの
「女の子が勇気を出して告白してきてさ、断る理由なんて無いだろう?兄貴はそれに応えただけだ」