勘違いという恋の駆け引き
『絢斗から聞いていたけど、まさか近くにあるなんて知らなかったよ!』
「いや、それコッチも。まさか藍が来るとは思わなかった…しかも優と、」
「あ、いや、違うから!全然っ!」
全力で否定するも
トウ兄に笑われてしまい
決まったら呼んでね、と行ってしまった
『私だけ知らなかったなんて…』
メニューを見ながらボヤいていたら
優さんはクスクス笑っていた
メニュー越しからチラッと優さんを見る
「絢斗も忙しかったからな。俺が連れてきたんだから、いいじゃん」
ニコッと笑う優さんに
見えないようにため息をつく
せっかくトウ兄に会えたのなら
ゆっくり話がしたい
…が、そうさせてくれないのが
優しい仮面を被った性悪男だ
さっさと食事をして帰ろう思った