勘違いという恋の駆け引き
静かな部屋の中
部屋の中は初夏なのに
エアコン要らずで過ごしやすい室温
なのに、私の背中に
嫌な汗が伝っている
「なんでダメなんだ?」
「俺の事、好きなくせに」
そう言って追い込んできた優さん
先程の弱々しさから一転
背中ににはキッチンとの間仕切り壁
逃がさないと言わんばかりに
優さんの腕で逃げ場がない
いわゆる…壁ドンってやつだ
何かのドラマで見た
好きな相手、しかも片思いの相手なら
ドキドキしてときめいちゃったりするだろうが、相手は優さんだ
『だ、だから、そういうのがダメなのっ』
私が知っている…いや、誰もが知っている優しい大人の優さんなら大歓迎だが
この裏の顔の優さんは、本当に無理
本人はわかっていないのか
はたまたワザとやっているのかわからない