勘違いという恋の駆け引き
「いいじゃん、付き合っちゃえば?」
自分で消化出来なくなり
陽菜に相談をしたら
あっさり返された言葉
『嫌よ!私、嫌いなのよ』
嫌い?と陽菜は聞いてくる
決して優さんが嫌いという訳では無い
あの、上から目線と言うか
そういうのが嫌なんだ
「それにしても優さんのギャップ、堪らないわ〜」
他人事だと思って
陽菜はニヤニヤ妄想の世界だ
ため息をつきながら
次の講義の準備にかかった
私だって
付き合ってみたら?と思った
優さんなら
本当に骨の髄まで愛してくれる
安心して愛されるだろう…
けど、やはり勇気が出ない
傷つく勇気は…流石にない
「藍、お前は誰の女だ?」
それは高校三年の時
年上の彼氏がいた
高校生の私から見た社会人の彼氏は
かなり大人に見えた
だから、彼の言うことは
正しい、と認識してしまったのだ