勘違いという恋の駆け引き
『この前のお返事なんですが、やはりお断りをします』
そう告げたが
優さんは一切表情を変えない
私の答えが
わかっていたようだ
なら、話は早いと思ったが
そんな簡単にあきらめる相手では無かった
「藍ちゃん、送るよ」
諦めてくれたと思った
女の一人歩きは危ないからと
優さんは送ると言いだした
さすがに振っておいて
それは出来ないと断るが
優さんは私に何かあったら絢斗に殺されるからと言う
絢斗の名前を出されれば
断る理由が見つからない
優さんの背中を見つめながら歩く
申し訳なく思う気持ちと
早く優さんと離れなければという気持ち
さすがに今日は
お茶でも、とは言えない
二人で会うのはこれで最後だ
…最後、か
そう思ったら
なんだか心に冷たい風が吹いた