勘違いという恋の駆け引き
『宮路さん、レギュラー1つとカフェアート1つ、お願いします』
「了解」
私はホールを担当する
私なんかがコーヒーを淹れたら
お客さんが逃げてしまう
バイトの宮路さんは
長い分、任せられる仕事も多い
キッチンは店長と宮路さんだけだ
普通のカフェなら
一人だと無理な話だけど
ここはブックカフェ
だから一人でも大丈夫
そして、宮路さんが作るカフェアート
これまた可愛いのだ
作っている最中、見入ってしまう
「あまり見ないで。藍ちゃんにも後で作ってあげるね」
『本当ですか?やったぁ』
出来上がりを見れば、可愛い猫ちゃん
何故、猫なのかと思いながら
テーブル席に向かう
お待たせしました、とテーブルに
ホットコーヒーと猫ちゃんを置けば
猫が大好きな様子でスマホを取り出し
写真を撮り始めた
スマホのストラップには
可愛い猫のぬいぐるみが付いていた