勘違いという恋の駆け引き


彼女になったんだよね?と
聞きたくなるくらい何もない
忙しいからなのかもしれないが
全く連絡がない


こんなものなんだろうか?
付き合うっていうことを
今まで2回しかない
不感症だと言った彼
そして、社会人の彼だ


二人ともマメに連絡をくれ
私からもしないといけなかった
いわゆる、束縛ってやつだ

私から連絡しようか
何度も携帯を手に持つが
やはり発信ボタンを押せずにいた



「お疲れ様、藍ちゃん」


『お疲れ様です、宮路さん』



指定のエプロンを取りロッカーへ入れる
鞄を持ち、携帯を確認するが
優さんからの連絡はない

別に期待しているわけじゃない
けど…、なんか、やっぱりそうなのかな?と諦めている気持ちもある


「藍ちゃん、なんか変だよ?悩みでもあるの?」


心配そうに見てくる宮路さん
正直、バイトの人とは距離を保ちたい
あまり詮索されたくない
だから、なんでもないと嘘をついた

< 57 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop