勘違いという恋の駆け引き



「こんな時間から?」


そう、こんな時間
見せは11時まで、
そんなこと、考えていなかった


『ーあ、そう。待っててくれていて、だから急がないとダメなんだ』


なんだか、変だ
今まで何度も宮路さんとシフトが被り
こうして店を一緒に出ることだってあった

なのに今日は、どうしちゃったんだろう
それでも宮路さんに送ってもらうわけにもいかない



「藍ちゃん、知ってる?ーー」


宮路さんが何かを訪ねた時
藍、と呼ばれる声がした
振り返ればスーツ姿に鞄を持ち
軽く手を上げながら歩いてきた


「お疲れ様、終わった?」


数日ぶりに見た優さん
スーツ姿にドキッとする
なかなか見慣れないのもあるが
まさか会えるとも思わなかった


『うん、終わった…、宮路さん、それじゃ、お疲れ様でした』


宮路さんの態度が気になり
早く離れた方がいいと思い
ペコっと頭を下げ優さんに駆け寄った

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