勘違いという恋の駆け引き
真っ直ぐな瞳は
私の心を見透かすようで
私の身体が強張る
優さんの手がゆっくりと
私の髪へと触れる
髪なのに…熱い
「あのバイトのやつ、藍に気がある」
……えっ?
まさかの言葉に固まってしまう
「藍はそんなこと気にもとめずに、あいつに愛想振りまいて…もしかして浮気?」
『…えっ?いや、違うからっ!』
全力で否定するも
優さんの疑いは晴れない
なぜ、そう思うのかもわからない
「藍は…誰の女?」
ピタッと触れた優さんの手
獲物を捕らえたような目で私を見る
こ、これは…一体…
答えずに居たら
もう一度同じ質問をされ
優さんの指が私の唇へと触れた
その瞬間、ゾクッと身体に何かが走る
『…ゆ、優さんの、か、彼女…です』
これは、拷問です
だから嫌なんだ…こういう男