勘違いという恋の駆け引き
「藍ちゃん、お疲れ」
少し残ると言った店長
裏口から一人で出た私
鞄から携帯を取り出し画面を確認するが
優さんからの連絡はない
健太さんが店に来たのもあり
気持ちが沈んでいる自分もいた
優さんに電話をしようか悩んでいると
「相変わらず嘘をつくのが下手だね」
携帯に集中していた私は
彼の姿に気がつくのが遅れてしまった
何故いるのか、
ここにいるという事は
私を待っていたのだろうか、
まさか、
私が知っている健太さんは
待つなんて絶対しない
付き合っていた頃、
待ち合わせをしても必ず遅れてくるし
迎えに行っても、寝てるのが当たり前
私が5分遅れたくらいで怒る人だ
そんな人なんだ
だから、待ってたなんて思いたくない
私の足は健太さん、ではなく
駅へと向け歩き出したが
何故か健太さんはわたしの横へ並ぶ