勘違いという恋の駆け引き
ごめんなさい、
そう言って頭をさげる
健太さんは頭を上げてというが
なかなか頭を上げられない
『私…、あの頃、健太さんにとって私はただの遊びの付き合いだと思っていたの。だって、高校生だし、子供だし…健太さんの言うことが全てだった。……だからね、健太さんのスーツに女物の香水が付いてたのも、私以外にいるんだって…勝手に思ってたの』
たまたま、だったのかもしれないが
子供だった私には衝撃すぎて
香水の匂いについて
健太さんに追求することなんて出来なかった
だから、初めて言っただろう
案の定、健太さんは驚いた顔をしている
「えっ……香水?」
少し考えて、あっと声を上げた
どうやら私の勘違い、だった
大人の付き合いがあり
断りきれなく、連れて行かれた店
綺麗なお姉さんが隣に座りお酌をしてくれるという店だ