勘違いという恋の駆け引き



「俺は一度だって、藍を裏切ったことはしていない。藍が全てで…もし、藍が進学しなかったら、プロポーズしようと思っていたくらいだから」


自分の勘違いと社会的な知識がない自分が恥ずかしい
もし、あの頃
少しの勇気と知識があれば
健太さんへの気持ちはかなり違ったと思うし、もしかしたらーと
一瞬でも考えてしまった



身体がビクッと反応してしまう
テーブルの上に置いていた手を
健太さんは優しく握っていた



「今、彼氏がいるのもわかっている。けど…、藍の事が好きなのは変わらない。だからと言って福岡にいるから、そばにいてやれないーーけど、会いに来る。だから、やり直さないか?」


やり直しません、


そういうつもりだった
けど、言えなかった
手には健太さんの名刺
裏には手書きでプライベート番号が書かれていた


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