勘違いという恋の駆け引き
なら何?と小声で話してくる
今は講義中
当たり前だが、他の生徒は
ちゃんと授業を受けている
『……うん、元彼が…会いに来たの』
私も小声で陽菜に伝えると
「えっ!?マジでっ!」と
教室中に聞こえるくらい驚いている
「そこの生徒、静かにしなさい」
すみません、と
私と陽菜は軽く頭をさげる
どういうこと?と
陽菜は更に小さな声で私に問いかける
…が、これ以上話すと
絶対教室を追い出されると思い
あとでね、と話を切り上げた
だが、その後
陽菜と講義が重なる事はなく
その日は話せ無かった
今日はバイトも無ければ
これといった予定もない
なら、久しぶりに
トウ兄に会いに行こうと考えた
初めて行ったお店
この前は優さんがいたから
ちゃんと話せなかったし、と
店へと足を進めた