勘違いという恋の駆け引き



なら何?と小声で話してくる
今は講義中
当たり前だが、他の生徒は
ちゃんと授業を受けている


『……うん、元彼が…会いに来たの』


私も小声で陽菜に伝えると
「えっ!?マジでっ!」と
教室中に聞こえるくらい驚いている


「そこの生徒、静かにしなさい」


すみません、と
私と陽菜は軽く頭をさげる
どういうこと?と
陽菜は更に小さな声で私に問いかける
…が、これ以上話すと
絶対教室を追い出されると思い
あとでね、と話を切り上げた

だが、その後
陽菜と講義が重なる事はなく
その日は話せ無かった


今日はバイトも無ければ
これといった予定もない
なら、久しぶりに
トウ兄に会いに行こうと考えた

初めて行ったお店
この前は優さんがいたから
ちゃんと話せなかったし、と
店へと足を進めた


< 78 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop