勘違いという恋の駆け引き
もしかしてソファで寝てるの?
だって、ソファには薄手の布団
ゴミ箱も直ぐそばにあり
ティッシュの空箱もそのまま潰さず
床の上に置かれていた
『…来て正解だった』
ゴホ、ゴホと咳き込みながら
怠そうに壁に寄り掛かっている
「悪いけど、本当に…帰って、」
こんな姿を見たら帰れない
買ってきたビニール袋から幾つか取り出した私は優さんの元へ行った
額に手を当てるとかなり暑い
何度ありましたか?と尋ねれば
体温計はないと弱々しく返ってきた
優さんの腕を取り
寝室へと向かう
風邪のせいで
優さんの身体はフラフラだ
だから抵抗もせず
すんなりベットへとたどり着いた
買ってきた体温計を渡し
ベット脇に脱水防止用の飲料水
そして、優さんの額に冷却シート
『病人なんですから、大人しくしててくださいね』
そう言って寝室を出た