勘違いという恋の駆け引き
その間、絢斗はバルコニーに干されていたシーツを取り込み、畳んでくれていた
「藍、優のことを頼む」
『…うん、なるべく側にいる』
そうじゃなくて、と苦笑いしている
へ?と運転している絢斗を見る
「優は藍に惚れてる。会いたいのに我慢してる…仕事が優先だからって」
あ、そっち?と思いながら
優さんは私に会いたいと思っていてくれていたのかと胸が熱くなる
「これから先も、忙しいのは変わらねぇ。けど優の事、ちゃんと見ててくれよ」
見てるよ…
大丈夫だよ、
うん、というだけ
それ以上は絢斗は望まない
その言葉は優さんへ伝えなきゃならない言葉だから
私と絢斗が病院に着いた頃には
既に目を覚ましていた優さん
私と絢斗に悪い、と
弱々しい声で謝っていた