勘違いという恋の駆け引き
鍵を受け取ろうとしない優さん
やっと腕が動いたかと思えば
鍵ではなく
私の腕を掴み引き寄せた
優さんの胸に飛び込む形になってしまい
離れようとしたが
優さんの腕が私の身体に巻きつく
「藍…、俺に隠していることあるだろ」
ミスった…
すっかり優しい優さんだったから
油断していた
耳元で囁かれる声に鳥肌が立つ
『隠し事?…なんだろ…』
焦っているが、頭は冷静
考えても何のことかわからない
けど、ドキドキと心臓がうるさい
「…元カレ。俺が知らないとでも?」
まさかの健太さんのことだ
何故知っているの?
私、誰にも話してない
唯一話したのは陽菜
けど、さわりだけ伝えただけで
それからは会っていない
なら、何故?どうして?と
頭の中は混乱していた