勘違いという恋の駆け引き
『くっ…、お、重いっ!』
「さっさと歩けよー」
フラフラになりながら
ダンボールを運ぶ休日
偉そうに私が運んだダンボールを開けているスカした男、トウ兄
別にやましいことはしていない、
けど優さんに話されたら
これまた面倒だ
「優にバラされたくなければ、次の休み付き合え」
そう言われて飲むことにしたが
これまた重労働だ
引っ越したばかりの真新しいマンション
食器も調理器具も何もない
その買い物に付き合わされた私
結構な量なんだから
宅配して貰えばいいものの
受け取る時間がないと
持ち帰ると言いだした
次々に梱包されるダンボールは
1つ、2つ…5つ、6つと
てっきりトウ兄が運ぶと思っていたが
運んだのは1つだけ
「あとは頼んだ」と
ダンボールを開け始めてしまったわけだ