また、部屋に誰かがいた
しばらく車を走らせていると、前方の左側歩道で彼のタクシーに向かって手を挙げている男の姿が見えた。
それはグレーのパーカーを着て、フードを被り、下はジーンズで黒い手提げかばんを持っている。
一見して年齢も若そうだ。
栗原は昨夜の心霊番組を思い出したが、とりあえず車の速度を落とし、歩道に寄せてタクシーを停めると、その男が
「西町小学校の近くへ行きたいんですが…」
幸い栗原の帰宅コースと同じ方向だ。
「どうぞ」
栗原の声に、その若い男は後部席に乗り込んだ。
再びタクシーを発進させた栗原はバックミラーで乗客を見てみたが、パーカーのフードを深く被り、下を俯いて座る男の顔はわずかに口元だけ見える程度であった。
しかも何やら小声でぶつぶつと独り言をささやいている。
あまりに昨夜見た番組の内容に似ていて、彼はなんとなく気味の悪さを感じていたが
「まさかな」
そう思い直し、目的地へとアクセルを踏んだ。
それはグレーのパーカーを着て、フードを被り、下はジーンズで黒い手提げかばんを持っている。
一見して年齢も若そうだ。
栗原は昨夜の心霊番組を思い出したが、とりあえず車の速度を落とし、歩道に寄せてタクシーを停めると、その男が
「西町小学校の近くへ行きたいんですが…」
幸い栗原の帰宅コースと同じ方向だ。
「どうぞ」
栗原の声に、その若い男は後部席に乗り込んだ。
再びタクシーを発進させた栗原はバックミラーで乗客を見てみたが、パーカーのフードを深く被り、下を俯いて座る男の顔はわずかに口元だけ見える程度であった。
しかも何やら小声でぶつぶつと独り言をささやいている。
あまりに昨夜見た番組の内容に似ていて、彼はなんとなく気味の悪さを感じていたが
「まさかな」
そう思い直し、目的地へとアクセルを踏んだ。