また、部屋に誰かがいた
香織は道原に目を合わせることもできずに、かろうじてそう答えた。
しかし、せっかくだから何か話さなきゃいけないと彼女が考えていると、優里奈がベッド脇にいたP15に気が付いて香織に尋ねた。
「ねぇ…これ何?」
「看護用のロボットだよ。こっちに移ってから病院が付けてくれたの」
「えー!ロボット!」
突然、道原が驚き、大きな声をあげる
「ロボットかー!すげー!合体とかするんかぁ!ビームとか出るんかぁ!」
「ワタシハ・P15-Aデス」
「すっげー!しゃべったぁ!」
ひとり異常なまでに盛り上がっている道原をよそに麻衣が
「じゃあ、私たちはそろそろ行くね。また来るね」
「うん、ありがとう」
椅子から立ち上がり帰り支度をする友人たちを見ながら、香織は相変わらず道原に何か話しかけたいと考えていた。しかし、彼女は何を話しかけたらいいかわからないままだった。
(何か…何か話さなきゃ…でも、何て話しかけたらいいかわかんないよ)
さんざん悩み、考えた結果、病室の出口付近で道原がニット帽子を被ったときに
「道原くん、その帽子…いいね…」
かろうじて、それだけ言えた。
「そうかぁ?どこにでもある安物だぜ」
道原はベッドの上の香織にニッコリ笑いながら、そう言うと病室を出て行った。
しかし、せっかくだから何か話さなきゃいけないと彼女が考えていると、優里奈がベッド脇にいたP15に気が付いて香織に尋ねた。
「ねぇ…これ何?」
「看護用のロボットだよ。こっちに移ってから病院が付けてくれたの」
「えー!ロボット!」
突然、道原が驚き、大きな声をあげる
「ロボットかー!すげー!合体とかするんかぁ!ビームとか出るんかぁ!」
「ワタシハ・P15-Aデス」
「すっげー!しゃべったぁ!」
ひとり異常なまでに盛り上がっている道原をよそに麻衣が
「じゃあ、私たちはそろそろ行くね。また来るね」
「うん、ありがとう」
椅子から立ち上がり帰り支度をする友人たちを見ながら、香織は相変わらず道原に何か話しかけたいと考えていた。しかし、彼女は何を話しかけたらいいかわからないままだった。
(何か…何か話さなきゃ…でも、何て話しかけたらいいかわかんないよ)
さんざん悩み、考えた結果、病室の出口付近で道原がニット帽子を被ったときに
「道原くん、その帽子…いいね…」
かろうじて、それだけ言えた。
「そうかぁ?どこにでもある安物だぜ」
道原はベッドの上の香織にニッコリ笑いながら、そう言うと病室を出て行った。