また、部屋に誰かがいた
そんなことをぼんやりと思い返しているうちに見ていたテレビ番組は終わってしまった。
僕はテレビを消すと、ベッドに潜り込んだ。
なんだか疲れた…。
幸い明日は休日だ。窓にはカーテンがかかっていて外の月は確認できないが、きっと晴れるだろう。

そうやって、うとうとしていた僕は隣に彼女の体温や寝息と匂いを感じて目を開けた。
でも…彼女がいない。

居ないのは当然だ。そんなこと頭ではわかっている。

交通事故で彼女が亡くなって、もう1年くらいになるのに、今でも、この部屋にいると不意に彼女が僕に語りかけてくる。

僕はベッドの上で丸くなり、膝を抱えるような姿勢になって眠った。


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