また、部屋に誰かがいた
部屋に誰かがいた【ストーカー】
川島里那は駅前にあるコンビニのアルバイトからの帰りだった。
なんとなく体調不良を感じた彼女は21時までだったアルバイトを友人に替わってもらって、早めに帰って来た。
夏の夜、19時を回ったばかりの外はまだ蒸し暑く、
アスファルトの路面には、まだ熱気が残っているのが足元のサンダル越しでもわかる
住み始めて3年目になるアパートまでは、あと10分くらい歩かなきゃいけない。
駅から離れるにつれ次第に暗く、寂しく、人通りが途絶えてしまう道は、今でも時々「怖いな…」と感じることがある。
彼女は来年、大学4年になる。
卒業論文や就職活動で忙しくなるだろう。
だからアルバイトも来年の3月までと決めていたのだが…
「やっぱり…今月で辞めちゃおうかな…」
里那はそう考えるようになっていた。
最近、同じアルバイトとして入ってきた三田卓治という男が原因だ。
年は20歳くらいだろうか
なんとなく気味が悪い…
時々視線を感じて振り返ると、卓治が彼女を見ている。
その表情が彼女には薄気味悪く感じてしまう。
背も高く痩せて長い前髪から覗く、その目付きが異様で
口元が薄ら笑いを浮かべているように、だらしなく開いている。唇を時折舌で濡らしながら…
その目つきには、上手く説明できないが不気味さだけしか感じられない。
しかも彼は彼女の私生活に何かと口をはさんできた。
「昨日、アルバイトが終わってから寄り道していただろう」とか
「男子がいる飲み会とかには参加するべきじゃない」とか
あきらかに正気じゃない気がする。
「安心してね。里那ちゃんのことは俺がいつも見守っているから」なんて手紙がアルバイト先の私物用ロッカーに入っていた。
…ということは、彼は彼女の私物用ロッカーを知らない間に勝手に開けていたということだ。
それに気づいたとき、里那の背中にゾクッと悪寒が走った。
なんとなく体調不良を感じた彼女は21時までだったアルバイトを友人に替わってもらって、早めに帰って来た。
夏の夜、19時を回ったばかりの外はまだ蒸し暑く、
アスファルトの路面には、まだ熱気が残っているのが足元のサンダル越しでもわかる
住み始めて3年目になるアパートまでは、あと10分くらい歩かなきゃいけない。
駅から離れるにつれ次第に暗く、寂しく、人通りが途絶えてしまう道は、今でも時々「怖いな…」と感じることがある。
彼女は来年、大学4年になる。
卒業論文や就職活動で忙しくなるだろう。
だからアルバイトも来年の3月までと決めていたのだが…
「やっぱり…今月で辞めちゃおうかな…」
里那はそう考えるようになっていた。
最近、同じアルバイトとして入ってきた三田卓治という男が原因だ。
年は20歳くらいだろうか
なんとなく気味が悪い…
時々視線を感じて振り返ると、卓治が彼女を見ている。
その表情が彼女には薄気味悪く感じてしまう。
背も高く痩せて長い前髪から覗く、その目付きが異様で
口元が薄ら笑いを浮かべているように、だらしなく開いている。唇を時折舌で濡らしながら…
その目つきには、上手く説明できないが不気味さだけしか感じられない。
しかも彼は彼女の私生活に何かと口をはさんできた。
「昨日、アルバイトが終わってから寄り道していただろう」とか
「男子がいる飲み会とかには参加するべきじゃない」とか
あきらかに正気じゃない気がする。
「安心してね。里那ちゃんのことは俺がいつも見守っているから」なんて手紙がアルバイト先の私物用ロッカーに入っていた。
…ということは、彼は彼女の私物用ロッカーを知らない間に勝手に開けていたということだ。
それに気づいたとき、里那の背中にゾクッと悪寒が走った。