また、部屋に誰かがいた
「鹿島君、またケンカしたんやって?」
その翌日、学校からの帰り道。私鉄の駅に向かう大通りの歩道を同級生の絵梨と歩きながら、玲奈は
「うん…あれだけ名前が売れてるんやから相手するやつも居てなくなると思うんやけど…ほんま男ってアホやわ…」
「せやなぁ…鹿島君からケンカ売ったって話はあんまり聞かんもんねぇ…」
絵梨はそう言うと
「ちなみに玲奈。鹿島君と付き合うてんのと違うの?」
「はあああああ?!!!」
玲奈は驚きの声をあげた。
「なんか鹿島君と玲奈て仲いいやん?」
「ただの幼なじみ!あれが彼氏なんて想像もできんわ!」
「そうなん?鹿島君って悪くないと思うけどなぁ」
「あかん!あかん!アタシの理想は物静かで知的なひとやもん」

玲奈がそう言って、2人が駅前近くのショッピングモールの前に差しかかったとき、

「なぁなぁ!一緒に遊ばへん?」

4人連れの男たちが玲奈たちに声をかけてきた。

玲奈たちは、その男たちを一瞥し、
(なんや…しょぼい…ナンパできる顔か?)

そう思って無視して通り過ぎようと歩く足を速めた。

「なんやぁ!冷たいやんか?俺たちと遊びに行こや!用事でもあるんか?」

(しつこ!)

玲奈たちは男たちを無視して、さらに歩く速さを速めた。
すると

「なんや!おまえら!むかつく態度やな!」
男たちは急に乱暴に玲奈たち2人の行く手を遮った。

「やめてよ!離して!」
「ちょっと遊ぼて言うてるだけやんか?」
「だから、嫌なの!」

そのうち男たちの一人が
「構わんから車に乗せちまえ!」

「やだ!助けて!」

玲奈がそう叫んだとき



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