また、部屋に誰かがいた
部屋に誰かがいた【可哀想な被害者】
その廃ホテルは20年くらい前に廃業し、なぜか建物は現在もそのまま残されていた。
僕たちが住む町から、少し外れた森を抜けた場所に、それはある。
周囲には何もなく、夜でなくても不気味な場所だ。
そんな場所に僕は、親友の高村と「きもだめし」に向かった。
そのなかで、動画を撮影したら何か映るんじゃないか、
もし心霊動画が撮れたら
「動画投稿サイトにアップしよう」
そんなことを考えてである。
まだ、高校生である僕たちは学校が終わってから、そこに行ったので「廃ホテル」に着いたときは日が沈みかけていて、さすがに建物の中に入るときは少し躊躇した。
ガラスが割れたままとなっている入口を抜けると、薄暗い奥に当時のフロントカウンターが見える。床はゴミが散乱していて、壁には落書きがされていた。
かび臭い廃ホテルのなかは、壁や床はもちろん、天井に至るまでが朽ち果て、穴が開いていた。
やはり、気味が悪い。
そんななかをカメラで撮影しながら進んでいく。
「これは…本当に何か映りそうだな…」
「先輩に聞いた話だと、3年くらい前に、ここに来たグループが行方不明になったって噂だぜ」
「マジかよ…やばいんじゃないのか?」
「まぁ、噂だ。それより2階へ上がってみよう」
そう言った高村と僕は階段を探した。
「大浴場」と書かれた案内板の先に、かってのお土産売り場らしきスペースがあり、客が休めるように置かれたソファもそのままだった。
埃っぽくて、カビ臭くて、長くいると気分が悪くなりそうな空間だ。
それに、ここに入ってから、なんだか頭が重いような気がする。
僕たちが住む町から、少し外れた森を抜けた場所に、それはある。
周囲には何もなく、夜でなくても不気味な場所だ。
そんな場所に僕は、親友の高村と「きもだめし」に向かった。
そのなかで、動画を撮影したら何か映るんじゃないか、
もし心霊動画が撮れたら
「動画投稿サイトにアップしよう」
そんなことを考えてである。
まだ、高校生である僕たちは学校が終わってから、そこに行ったので「廃ホテル」に着いたときは日が沈みかけていて、さすがに建物の中に入るときは少し躊躇した。
ガラスが割れたままとなっている入口を抜けると、薄暗い奥に当時のフロントカウンターが見える。床はゴミが散乱していて、壁には落書きがされていた。
かび臭い廃ホテルのなかは、壁や床はもちろん、天井に至るまでが朽ち果て、穴が開いていた。
やはり、気味が悪い。
そんななかをカメラで撮影しながら進んでいく。
「これは…本当に何か映りそうだな…」
「先輩に聞いた話だと、3年くらい前に、ここに来たグループが行方不明になったって噂だぜ」
「マジかよ…やばいんじゃないのか?」
「まぁ、噂だ。それより2階へ上がってみよう」
そう言った高村と僕は階段を探した。
「大浴場」と書かれた案内板の先に、かってのお土産売り場らしきスペースがあり、客が休めるように置かれたソファもそのままだった。
埃っぽくて、カビ臭くて、長くいると気分が悪くなりそうな空間だ。
それに、ここに入ってから、なんだか頭が重いような気がする。