また、部屋に誰かがいた
広い一階の店舗のなかには、まだ造作もそのままで、光の帯の中に埃が漂う懐中電灯の明かりに
テーブルやいすなどが散乱した状態で残っているのが見える。
かって厨房だっただろう場所を抜けると
上へと続く階段があった。その階段を上って行くと2階に長い廊下があり、
その左右にいくつかの扉が並んでいて、僕たちはゆっくりとその廊下を進んだ。

かなり広い建物のようで、今進んでいる廊下の先がどこまで続いているのか、
懐中電灯の光が届く限りでは、はっきりわからない。

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