また、部屋に誰かがいた
部屋に誰かがいた【守護霊】
山口沙也加は10歳。小学4年生だった。
「じゃあ、これをおばあちゃんに持っていってね。寄り道とかしないのよ」
彼女の母親は時折、パンを焼く。
そのパンが「美味しい」とお気に入りだった祖母は、届けられるパンを、いつも喜んでいた。
その日、4個焼いたクロワッサンのうち、3個は彼女と両親の分で、残りの1個を紙袋に入れ、それを持って彼女は、そこから歩いて10分程の祖母の家に向かった。
今は趣味でパンを焼くほど時間がある母親は、3年前までは都内の事務機器販売会社に勤めていて、当時まだ幼かった沙也加は祖母の家で過ごすことが多かったが、その祖母も最近は体調不良を訴えることが多くなり、入退院を繰り返すようになってきたので、母は仕事を辞めた。
その分、父は残業続きで頑張っている。
「じゃあ、これをおばあちゃんに持っていってね。寄り道とかしないのよ」
彼女の母親は時折、パンを焼く。
そのパンが「美味しい」とお気に入りだった祖母は、届けられるパンを、いつも喜んでいた。
その日、4個焼いたクロワッサンのうち、3個は彼女と両親の分で、残りの1個を紙袋に入れ、それを持って彼女は、そこから歩いて10分程の祖母の家に向かった。
今は趣味でパンを焼くほど時間がある母親は、3年前までは都内の事務機器販売会社に勤めていて、当時まだ幼かった沙也加は祖母の家で過ごすことが多かったが、その祖母も最近は体調不良を訴えることが多くなり、入退院を繰り返すようになってきたので、母は仕事を辞めた。
その分、父は残業続きで頑張っている。