キミと恋に落ちる可能性
時間は遅れてないけれど、あたしは1年生だからこういうのは先輩よりも早く来るべきだった。
「あとは翔太-Syotaか」
なにより、ヒナタより遅かった事が悔しい。
間も無くして、最後の1人の方が来た。
「おーっす。
れ?俺が1番最後?」
「遅えよ、翔太」
「悪いな、陽空」
ヒナタと仲良いんだな、と思っていると、ひとりひとりの自己紹介が始まった。
段々と覚えていけばいいかなと聞き流し、あたしも簡単に自己紹介する。
すると、さっきヒナタに"翔太"と呼ばれていた人がいきなりパァと表情を明るくした。
「あ、君か!陽空の幼なじみっていうヤツ」
「は、はあ。そうですけど」
「やっぱり!」
"翔太"さんは1人で納得し、目を輝かせている。
何を考えてるかわからないけど、きっと翔太先輩が考えているようなドラマ性はあたしたちにない。